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他の物件と同居する長屋。
風合いを生かしたテナントにも。

会津若松市
まちのランドマークになる可能性を秘めた会津若松のレトロ長屋

福島県の西側を占める会津地方。会津若松市はその中心都市です。 四方を山に囲まれた会津盆地にあり、人口は10万人ほど。街のほぼ中心に位置する鶴ヶ城の城下町として栄えました。鶴ヶ城は幕末に起こった戊辰戦争の舞台のひとつとして有名で、年間を通して多く人が訪れる場所。市内にはほかにも歴史遺産が数多く残り、また会津塗や会津木綿などの伝統的工芸品の産地としても知られています。そんな観光地としての側面が強い会津若松市ですが、近年はICTを活用したスマートシティ構想が進められ、先進的な取り組みも盛ん。古いものと新しいものの融合が、これからの会津若松市のキーワードになりそうです。
それをふまえて今回の物件を見てみましょう。会津若松のメインストリート・神明通りにも近いこちらは、築70年は経っていそうな木造の長屋。建物は構造を共有しながら10軒がひしめくように建っており、正面から見て右端の1戸のみ募集します。かつては10軒それぞれスナックや居酒屋、美容室などを営んでいたようですが、現在営業しているのはこのうち2軒のみ。今回募集する物件も20年ほど前までは喫茶店でした。1階は厨房とカウンターくらいの小さなスペースで、2階に4畳半が2部屋、3階には秘密の小部屋のような空間も。コンパクトな作りですが、使い勝手は良さそうで、アトリエ、カフェ、雑貨屋などいろいろなイメージが想像できました。
繁華街のほど近くで、近くには高校もあり、会津若松駅から鶴ヶ城へのルートの途中にあるこちら。正直、立地は抜群に良いです。家賃もお手頃なので、スモールスタートの場所としては最適かもしれません。ここを起点にほかの空き店舗にも明かりが灯るようになったら、会津若松の新たなランドマークになるかも!?

やりたいことが形になるちょうどいい
スケール感。

 今回、鉄骨造や石蔵などボリューム感のある物件を見て、それぞれに魅力的でしたが、いざ改修するとなると初期費用がいくらかかるか、全部を使いきれるのか少し不安になるものもありました。ですが、ここは始まった後が具体的にイメージできる、ちゃんと使いこなせるスケール感だと感じます。町屋や歴史的建造物とは違いますが、もともと民間レベルの商店として作られた建物なので、このまま再生するよりは現代的な解釈をして作り変えるのが向いていると感じます。

株式会社SWAY DESIGN代表取締役/一級建築士・宅地建物取引士 永井菜緒さん

株式会社SWAY DESIGN代表取締役
一級建築士・宅地建物取引士永井菜緒さん

独特の魅力のポテンシャル。

 事前にグーグルマップで見た時から興味がありました。コンパクトな空間だけれど、今となってはあまりこういう建物は作れないから独特の良さがありますね。扉の小ささも親密な空間も、3階の小窓から見える風景もすべてが魅力的。ここで始めたことが、周囲にもどんどん派生していくかもと考えたらすごくポテンシャルがあります。

宮城島崇人建築設計事務所/建築家 宮城島崇人さん

宮城島崇人建築設計事務所
建築家宮城島崇人さん

たくさんの人の関わりしろがある場所。

 周辺の地図を見ると、高校もあって役所もあってホテルもあって、いろんな登場人物が想像できますね。地元の人だけではなく、観光の人もやって来る場所。つまりはそれだけこの場所に関われる人が多いということ。これはとてもすごいことです。近くの商店街との連携や、プログラム的にどういう立ち位置を定めるかで生まれ変わる可能性があります。

アオイランドスケープデザイン/ランドスケープデザイナー 吉田葵さん

アオイランドスケープデザイン
ランドスケープデザイナー吉田葵さん

プロジェクト化してまちの価値を上げる。

 内装をDIYでリノベーションできる余地があって初期費用も抑えられそう。2階は狭いのかと思いきや、天井高が高いので思ったよりも居心地の良い空間でした。これなら2階をお客さんの入るスペースにしてもいいですね。全体を作り変えるのは難しいので、備え付けの厨房を使って飲食を提供できるようなプログラムが適していると思います。学生や若者を巻き込みながらプロジェクト化していくと次につながり、ここの価値も上がるのではないでしょうか。

BHIS 主宰/建築家 アサノコウタさん

BHIS 主宰
建築家アサノコウタさん

風合いを活かした
改修で意外性のある使い方を。

 まずは家賃が3万円という破格さが魅力ですよね。全体が他の物件と一緒になっている長屋という形式自体がユニーク。四畳半がふたつ並んでいる間取りも、入ってみるとすごく丹精で幾何学が美しく、使いやすそう。そこまで手を入れずに、元の風合いを残した改修をしたいです。使い方としては、「ここに入るの?」みたいな意外性のあるテナントがいいですね。

AMP/PAM主宰・UDCOデザインリサーチャー/建築家 伊藤孝仁さん

AMP/PAM主宰・UDCOデザインリサーチャー
建築家伊藤孝仁さん

オーナー様のコメント

 この物件は祖父が購入したもので、詳しいいきさつなどなどはわかりません。10軒がつながる長屋で持ち主はバラバラ。 2軒が営業中です。現在の繁華街は神明通りの西側に移っていますが、かつてはここがその役割を担っていて、周辺には当時の名残が今も少し残っています。私は30歳でUターンして、地元を盛り上げるような活動もいろいろとしています。ここがおもしろいスポットになれば、近隣の商店街にもいい影響があるのではと期待しています。カフェや雑貨店など地元の人も観光の人も立ち寄れるような場所が理想。もしリノベーションやDIYで人手が足りなければ、できる限り協力します。

DATA
所在地 福島県会津若松市西栄町6-16
沿線・駅 会津若松駅車3分(1.7km)
土地面積 不明
間取り 不明
建物面積 約33.00㎡
築年月 昭和28年1月

専門家が考えた活用例

物件の周辺環境

物件を中心に、徒歩10分圏内に目を向けてみると、多くの登場人物がそこにいることが分かってくる。高校が近接しており、10分圏内には中学校・小学校・保育園も多くある。また、市役所・図書館をはじめとした公共施設も5分圏内に位置する。また鶴ヶ城や、商店街が大きく3つ存在し、県外の観光客も物件の周辺に登場することがみてとれる。

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